作家と編集者が、お互いの力を対等に出しあい、1冊の本をつくりあげていく過程は、大変さも含め、それはそれはたのしいものです。
VIVIBOOKSえほんづくりプロジェクトでは、こども作家と大学生編集者が、ふたりひと組となり、協働で1冊のえほんをつくります。
ひとりで考えているときには、思いもよらなかった方向へ進んだり、信頼関係が生まれることで、難易度の高い挑戦をしてみたくなったり。人と人とが出会うことで生まれる化学変化も含め、絵本づくりのプロセスには、みなさんに体験してほしい、すてきなことがたくさんあります。
こうした経験を通じて獲得してほしいのは、「自分の思考」や「自分のクリエイティビティ」に自信と愛着をもつこと。これがあれば、その後の人生は、どうしたって実り豊かなものになりますし、自分の思考に自信をもつことで、相手と対等に関われるようになれば、どんな分野でも、充足感を得られる仕事ができるようになると、わたしは思っています。
VIVIBOOKSえほんづくりプロジェクトは、その扉をあざやかに開いてくれるはず。やってみるとわかりますが、絵本づくりって、ほんとうにたのしいことだらけですからね。
VIVITA BOOKSえほんプロジェクトは、子ども達と大学生が二人三脚で絵本をつくるという画期的な企画で、どんな化学反応が起こるのか僕もとても楽しみにしていました。
ひとりでものをつくるのではなく、ペアでひとつのものをつくるというのは、僕たち絵本作家が編集者と共にいつも行なっていることです。
ひとりで作品をつくるとどうしても独りよがりになってしまったり、自信が持てなくなったりする時があります。そんなとき編集者とコミュニケーションを取りながら作品についてのたくさんの判断を重ねていくと、自分で判断したということが自信につながり、より自分のアイディアや作品が好きになっていきます。
この「判断を重ねる」という過程が面白く、作品をつくるうえでとても大切なことだと思っています。大変なところもありますがそれも二人ひと組でやる醍醐味です。
ぜひこのプロジェクトで体験したことを、様々な活動のエネルギーにつなげていってください!
印刷会社も基本的に本が好きな人たちの集まりです。そのため毎回ワクワクしながら参加させていただきました。そんなメンバーによるコメントです。
企画メンバー(中澤、新藤)からのコメント
通常の仕事では完成された作品を印刷・製造するのですが、今回は作品を創る段階からかかわらせていただきました。
その中で、アイデアの見つけ方や、作家と編集者がお互いのアイデアをぶつけ合い、磨き上げていくプロセスを間近で見て、このプロジェクトはただ絵本を作るだけではなく、クリエイティブな作品を作り上げるプロセスを、体験しながら学ぶプログラムであると感じました。
そしてこの学びは、絵本創作だけでなく、企画力やイノベーションにも通ずる力になると感じました。
また、自由に絵本の形を発想してもらったことで、私たちの方でも製造方法を試行錯誤する、チャレンジングなプロジェクトでした。
とても楽しく、そして挑戦的に参加させていただきました。
工場メンバー(仲山)からのコメント
本のハード部分のお手伝いをさせていただきました。判型や用紙の選定、表面加工にコスト管理まで、本づくりに必要な要素をリアルに体験してほしくて、あえて規格を統一せず、全てこども作家に設計してもらいました。
「自分の好きなこと、得意なことってなんだろう?」
この問いにすぐに答えられる人もいれば、うーん・・・と考えこんでしまう人もいるかもしれません。
えほんプロジェクトでは、子ども作家と大学生編集者がともにひとつの作品をつくっていくなかで、みんなが自然とこの「自分の好きなこと、得意なこと」に向き合っていたように思います。それは、自分で見つけられたことかもしれませんし、かかわりのなかで相手が見つけてくれたことかもしれません。
いっしょに作品をつくっていく相手のことを信頼しながら、自分の表現に愛着と自信を持ち、ともに世界をひろげていくこと。この経験は、これからの世の中を生きる中で、とても大切になってくることだと思います。
絵本づくりをするなかで、自分や相手と向き合うことのおもしろさやむずかしさ、知らないことに出会うたのしさ、誰かに自分の思いを伝えられるよろこびを、ぜひ感じてみてください。ひとりだけではつくれない、あなたらしい絵本をいっしょにつくっていきましょう!
子どもたちが持っているアイデアには、それぞれの個性が強く表れます。それらは、ときに難解で作品に昇華することが容易ではないかもしれません。しかし、一緒にプロジェクトに打ち込む時間は、子ども作家と大学生編集者を互いに理解し合えるパートナーに変えます。
そうすると、大学生編集者の個性も合わさって、いっそう魅力的な作品が生まれるようになります。
パートナーと最高の絵本を完成させる体験をした子ども作家たちは、プロジェクトから影響を受けて自信を持って様々な表現を試みるようになりました。おそらく、関わった大学生編集者の方にとっても、自分の価値観を変える経験になったのではないでしょうか。
クリエイターとして子ども作家と対等に関わっていける大学生編集者の参加を、心からお待ちしています。
VIVITA BOOKSの活動は、プロの絵本作家さんと編集者さんから、日常生活の中から作品のアイディアを集めることの楽しさと協働で作品を作る面白さを知ってもらう「アイディアノート作り」から始まります。そこから真剣に活動をスタートさせたいVIVITAメンバーと大学生編集者希望者を集めて「えほんプロジェクト」が本格的に動き出します。
こども達が、日常生活の中で見つけたアイディアを大学生編集者と話し合い、本のコンセプトやストーリーを一緒に作っていきます。キャラクター設定や台割作成、原画製作などの工程から印刷会社への入稿データや色校正など、専門的な活動に向き合い、長期間の活動の中から一つの作品を生み出します。
VIVITA BOOKSの作品は、試行錯誤するこども達と大学生たちの苦労やぶつかり合いの中から生まれる活動を知ることで、より深い世界観を作品の中に感じることができます。ぜひ、作品ができるまでの過程を含めてたくさんの人にファンになってもらえるような活動にしていきたいです。
子どもたちが持っているアイデアには、それぞれの個性が強く表れます。それらは、ときに難解で作品に昇華することが容易ではないかもしれません。しかし、一緒にプロジェクトに打ち込む時間は、子ども作家と大学生編集者を互いに理解し合えるパートナーに変えます。
そうすると、大学生編集者の個性も合わさって、いっそう魅力的な作品が生まれるようになります。
パートナーと最高の絵本を完成させる体験をした子ども作家たちは、プロジェクトから影響を受けて自信を持って様々な表現を試みるようになりました。おそらく、関わった大学生編集者の方にとっても、自分の価値観を変える経験になったのではないでしょうか。
クリエイターとして子ども作家と対等に関わっていける大学生編集者の参加を、心からお待ちしています。
今回のプロジェクトでは、絵本のシリーズ装丁のデザインを担当しました。また自分も子どもとの絵本づくりを通してお話しづくりや絵本を作る過程を学びたかったので、編集者として学生さんたちといっしょに子どもとの絵本づくりを経験しました。
デザイナーとしてはこれまでの仕事の経験上自分なりの方法論があったのですが、お話しの創作はほぼ経験がなくどんな方向性がよいかすらわからなかったので、いろんな絵本を見て、自分に向いている方向性を少しずつつかみながらイメージを作っていきました。
最初の2カ月で考えていた話はやりたいことが多すぎて結局まとめきれず、編集者判断でこころちゃんに短くてシンプルなお話しを考えてもらうことにした結果、わずか1時間で今回の話が生まれました。今回はこころちゃんの才能によるところが非常に大きく、自分はデザイナー的な視点で最大限お話しを魅力的に伝えられるように絵とデザインを考えました。
他のペアの途中経過を見るのも非常に刺激になり、創作する過程のスリリングな時間をいっしょに経験できて、とても密度の体験でした。